縄文時代を垣間みる

縄文土器、特に土偶って素晴らしいと思いませんか。
土器は大きく分けて実用のものとそうじゃないものに分けられるのだそうですが、その非実用的な最たるのもが土偶だと思うんです。いったい何のために作られたのかさえ、未だにはっきりと分かっていない、そんな土偶に僕は限りない魅力を感じています。
縄文時代と一口に言っても、じつは約15000年前から5000年前までの約10000年間をさすそうなので、一時代というにはとてつもなく長い時代だったんですね。当然その最初の頃に生きた人達と終焉期を生きた人達とでは殆ど何のつながりも無かったでしょうが、僕たちはそれをひっくるめて今は縄文人と称しています。彼らにしては荒っぽすぎる分類だと抗議したくなることでしょうが、それには縄文土器土偶の存在が大きく僕たちの意識に関与しているからではないでしょうか。遮光土偶や火焔型土器はたしかにそれを観たときのインパクトが強烈で、どの時代にどこで作られたかなどはおかまいましで「おぉ〜縄文時代や!」と短絡に思わせてしまうのではないでしょうか。

僕はこの風貌から現代の縄文人といわれることがよくあり、鏡を見たりして確かにその通りだと思っているのですが、その豊かな造形力も含めていただけるのなら縄文人と言われることはむしろ光栄に感じているんです。
芸術新潮11月号に「縄文の歩き方」という特集が組まれていたので買ってみました。それによると縄文の男達は普段あまり働かなかったのではとあります。そこは僕も受け継いでますね。ちょっと気が楽になりました。怠け癖は血統だったんだ!
でも、そんな彼らも猟のときは命がけで狩る。やる時はやるんです。この部分も僕にぴったり当てはまりますね(笑)

実はこのあいだの日曜日、滋賀県信楽にあるミホミュージアムで見て来たんです。
土偶 コスモス」展です。4点の国宝土偶がそろい踏みだったんで勇んで行ってきました。

このミュージアム、手かざしで有名な某新興宗教教団の所有なんですが、その親教団がもつ美術館が熱海のMOA美術館です。美を追求することが教義となっているそうです。面白いですね。

入場券を買ったら、このトンネルを抜けて行きます。異次元の世界へゴーッという感じです。


玄関ではば〜んと岡本太郎作の「土偶」がお出迎えです。


入場したら勧誘でもされるのかと思っていましたが,そんなことは全くなく(あたりまえ)、実にゆったりとした施設の中で思い切り大好きな土偶と対面し,会話を楽しんできました。
驚いたのは縄文最古の土偶というものが展示してあって、その大きさが親指の爪の一回り大きくしたくらいで、なんと紀元前8800年頃というとてつもない大昔。日本は世界最古の土器文化を持っていたのですね。
ほかにはこんなのが展示されていました(画像はネットより拝借)


最近国宝になった「縄文の女神」。山形県、紀元前3000年頃。何と大胆なフォルム。結構大きいです。


中ががらんどうになっている中空土偶。細かい模様が散りばめられています。髭があるのに女性でもある不思議なヒトガタです。北海道、紀元前1000年頃か。


これは皆さんご存知かも知れません。「縄文のビーナス」、長野県、紀元前3000年頃。これは実物を見た時、本当に鳥毛立つほど感動しました。僕の最も好きな土偶です。


そしてこの合掌土偶。ここまでくると相当人間的ですね。なんだか脱力感が漂っています。青森県、紀元前1500年頃。

ここまで4体が国宝です。


そして有名な遮光器土偶岩手県、紀元前1000年頃。まるで宇宙人ですね。素晴らしい。

遮光器って英語でgoogle-eyeというんですね。

暫く縄文ウォッチがマイブームになりそうです。