珈琲道

二年ほど前から、また珈琲を淹れるようになった。それまでも毎日5〜6杯は飲んでいたのだが、きちんと豆を挽いて温度管理をした湯で時間通りにドリップするようになったのが二年前からである。巷では「サードウェーブ」と称した新しいスタイルの淹れ方、珈琲店アメリカからやってきて珈琲好きの心を躍らせているのだが、僕にはどうも馴染めなくて逆に昔ながらのネルドリップに憧れている。その通りにやれば誰でも同じ味が楽しめるフレンチプレス,エアロプレスは確かに素晴らしいと思うのだが、一杯一杯味が変わるのを上手く調整しながら淹れるのが面白いと感じるのである。(最近京都ではこのネルドリップが見直されているらしく京都からフォースウェーブが来るかもしれんという噂も。確かにかの焙煎家オオヤミノル氏が絡んでおられるお店もたしかネルドリップだったか)
で、どうにかこうにか自分が美味しいと思える淹れ方を見つけられるようになって(コーノの円錐ペーパードリップだけど)、気に入った豆(グァテマラ某農園)を気に入った風に焼いてくれる(フルシティ手前)焙煎屋さんも近くに発見し、僕だけのメソッド(笑)が構築されてきたように思う。
 そうなるとまたコレクターの血が騒いでくるのである。思えばカメラレンズ収集に始まり、中国茶道具、揃茶道具等々、広い意味では自転車、バイクもそうかも知れないほど僕は集めるのが好きなんだ〜、という訳で今回はカップ、ソーサーを集めている。特に北欧スウェーデンノルウェー辺りのアラビア、グスタフズベリ、イッタラを収集しているのだが、その中でどうしても欲しい逸品があった。グスタフズベリ「タヒチ」である。鮮やかな南国の花達をあしらった美しいカップなのだが、ネットで探しても画像ばかりで在庫なし、たまにあっても一客3万円以上という価格なのでちょっと手が出ない。でもそうなると余計欲しくなるのが人情というものというおなじみフレーズで探すこと数ヶ月、やっとヤフオクで見つけて即落札。最近、ちゃんとした店で買う習慣が復活したのでヤフオクも久しぶりで解除したプレミア会員をもう一度復帰させての落札であったが(もちろんまた即解除する)今日現物が届いて大満足。ソーサー裏部分に三カ所ホツが見られるので価格の18000円も適正だろう。20客めのカップソーサーがこんな素敵な品になったのは嬉しい限りである。

※文中にある京都の喫茶店は「KAFE工船」です。ご存知のご仁もおられるかと思いますが隣が自転車工房となっており、サイクリング帰りに是非お勧めです。