Trent1000

半夏生の六月晦日、夏越の祓を済ますと今年もいよいよ七月。慣用句になってしまった「あっというまに月日が過ぎる」ことをさらに実感する今日この頃である。なかでもこの七月は僕にとって誕生月なので余計にシミジミと思う。ただまあ科学的に検討してみると時間の早さという概念は自分の生きて来た時間を分母として考えるので毎年少しずつ短く感じられるというわけだろうからある種の錯覚と言えないこともないだろう。
先月は国内の主立った企業の株主総会が軒並み執り行われた。毎年この月に集中するのだが幾ばくかの株式をもっている僕にも案内が送られてくる。例によってささやかな議決権を行使して楽しんで?いるのだが、実は毎年送られてくるのを愉しみにしているものがある。それは企業から送られてくる業績報告書である。

その中で今年特に面白かったのは川崎重工業株式会社。ご存知我が国の重工業の嚆矢「Kawasaki」である。で何が面白かったというと「Trent1000開発」の記事である。航空ファンには周知のことだろうが実はこの「Trent1000」はロールスロイス社製のジェットターボファンエンジンの名前であり搭載機種はボーイング社のトリプル7と最新鋭787。エアバス社のA330、340-500,600、A380、A350XWBだそうで、やはり787に搭載されているのだということで嬉しくなってしまった。エンジンの心臓部であるIPCモジュールというものを製造しているとのことだが最も精密な加工を求められるところだそうで川崎の技術力の高さが伺えるのだ。今後787の機体のエンジンにある誇らしげなRRのエンブレムを見るたびにその陰にはKawasakiが潜んでいるとほくそ笑みたいものである。
ちなみに新しい航空機のエンジンダクトは青い。まだ焼けていないからだ。いかにも凛々しい青年を見ているような青さである。思わず頑張れよと声をかけたくなる。最新鋭787もきっと青かっただろう。

高所恐怖症で飛行機に乗るのは恐怖なのだが,こんな記事を読むとガンバって乗ってみたくなる。

PS:787のコクピットの窓って4枚だということを最近知った(普通6枚)。