春分の日2013の桜

午前中はなんとか空が持ちそうなので墓参に出かけた。先ずは家内方の現実家(婿養子なので)のほうからお参りをする。これが近所の山の中にある、独りで行くにはちょっと尻込みしそうな陰鬱な墓地である。カラスも群れをなして木に止まっており、ほとんどゲゲゲの鬼太郎の墓場である。元は開けた河原にあったそうだが、ある年の大雨に根こそぎ流されてしまったらしく再建する間の仮場としてこの山中に移設したところが以後そのままになったらしい。
気味が悪いこんなところに永眠したくはないので密かに新しい墓所を求めているのは言うまでもない。
義父が前日までに山で採ってきてくれた樒に庭にあった寒菖蒲をそえて墓に手向け線香を焚きしばし合掌。

山から帰り(ほんと短い登山)着替えをして今度は京都の僕の実家方の先祖を祀っている大谷祖廟(東大谷)へ向かう。クルマを円山公園地下駐車場に停め公園内を歩く。

なんと満開の桜があった。祇園しだれ桜という樹名の若木である。春の色が降り出しそうな空によく映えていた。
お参りを済ませて廟所からの階段を降りたところにある花文字には「大悲」とある。

阿弥陀仏の大いなる憐れみを表した言葉である。

歎異抄親鸞は父母の供養は一度たりともしたことがないと仰っているが、それは父母を追慕する気持ちがないということでは勿論なく、あくまで念佛というのは自分のためだけにあるということを徹底してご自身に言い聞かせられたということだろう。
真宗が彼岸会や盂蘭盆会を認めていることはきっとそのあたりの教祖の感慨を察してのことなんだろう。尤も仏陀ご自身は霊魂を否定されているのだが。

少し遅い昼食を「いそべ」で摂る。提灯を模した塗りの器に盛られた「円山弁当」。大谷祖廟の帰りはいつもこれを食べている。一番近いところにあり探す手間がないので。

そのあと家内がお茶がしたいというので、安井にある秘密の場所へ。といっても案外有名かもしれないが。天ぷらの「圓堂」近く。

久しぶりに家内とゆったりした。