原風景


原(はら=地名)の風景である。だから原風景。ただこれはあながち洒落というだけではない。最近自分の描きたい絵が見つけられらなくなってちょっと悩んでいたのだが、去年の写真を整理していて(といってもパソコン内のデータだけれど)目に留まった一枚を何も考えずにというか素直に描いてみたら、非常に気持ちよく描き終えることができた。去年の暮れあたりから行き詰まって萎えかけていた制作意欲がいつの間にか戻っていた。自分にはこの描き方しかできないことを改めて知らされたし、それが気持ちのいい行為だと解った。それを気付かせてくれたので原風景ともいえる。

写真は、去年の秋分あたりに犬との朝の散歩の時に光線の具合が美しいと思ったので写しておいたもの。朝日に照らされて黄金色に輝く稲と未だ早朝の気配を残すように蒼く佇む建物の対比がとても眩しかった。それにしてもカメラを常時携帯しているところが我ながらおかしい。



アルシュ荒目