ペダリングの理想を求めて

またまた骨折をしてしまいました。左手首です。真っ暗な寝室で転んでしまったのです。その日は朝から自転車で信楽経由で伊賀上野、月ヶ瀬と走って帰って来たところだったので相当脚が疲れていたのと、事故の影響からか左脚に坐骨神経症状が出て咄嗟の動きが出来なかったのです。全く身から出た錆といいましょうか、猛反省です。ところでやはり長距離を自転車で走る場合、ペダリングの善し悪しがものすごく重要になってくるのは周知の事実です。私の場合も、もう少し上手なペダリングが出来ていたら脚の疲労も相当軽減できていたでしょうし、それが元での怪我も無かったと思えます。しかしこのペダリング技術というのは実は相当習得が難しく、尚且つ相応の脚力も要求されることからなかなか上達が出来ないでいます。3本ローラー台ではいつも高回転になるとピョコピョコとお尻が動いてしまいこれがなかなか直りません。これは引き脚が遅れることが原因なんですが、高回転のみならず実はサイクリング程度の回転域においても引き脚の遅れは疲労に繋がるので悩みの種です。それと最近では自分で撮った動画をチェック(暇人)してみて、どうも脚が内に入りすぎる傾向があることに気付き、特有の大腿外側の大腿筋膜張筋、下肢の外頸骨筋の痙攣はそれが元ではないのだろうかと思えて来ました。そこでこの二点を克服することを考え、いろいろと道具を調べてみました。つまり私にあったペダルを探すということです(笑)。去年末に納車されたBMCはほぼ完璧なパーツ構成だと自負していますが、それでも二三気になるところもありホイールを敢えてシャマルウルトラからイーストンEA70xにしたり(これはチューブラー化すると言う宗旨替えのため)、ボトルケージをチタン化(全くの個人的趣味で実利なし)等をしてきたのですが、最も気になっていたのが実はペダルだったのです。実質シマノアルテグラの黒バージョンPD-R670を履いているのですが、これ自体なんの文句もないのです。ですが私の身体的スペックから先ほどの二点を克服するにはこの素晴らしいペダルに泣いてもらわなくてはならないと決断したのです。
で、探し当てたのがこれ、ヴィスタ・マジックXペダルというある種際物です。

実はこのペダル、問題もあるのです。それはいわゆるQファクターです。Qファクターとは狭義にはBB中心からクランクのペダル取り付け穴までの幅を言い実際にはペダル踏面中心の間隔を指すことが多いのですが、このペダルやたらと横に出っ張っていてそのQファクターが多いのです。これが何故問題になるかと言えば、ペダリング理論に於いて脚は真っすぐ真下に踏み込むことが最も効率が良いとされているからです。Qファクターが大きくなるとそれだけ脚が広がり効率が落ちるのです。背が低い(脚が短い)私には余計堪えそうです。が、それはあくまで力学の観点から見た結論であって私自身の結論ではありません。カンパのUDクランクのQファクターは147mm(大手三社で最も狭い)PD-R670に比べて10mmは広いこのペダルに換えてクリート中心間の距離は約260mm程度、私が立位安定状態での両拇指(リスフラン関節中心やや内側付近)間距離が平均270mm。つまり脚が内に入りすぎる私にはこのペダルの広義のQファクターが合っていると言えそうです。また何故このペダルが出っ張っているかと言うとペダル軸が無いからなんです。その分踏力に耐えるべアリング部分が必要だったのですね。一般のペダルは軸の上に踏面がくるのですがこのペダルは軸よりも下、そして前に踏面がオフセットされています。サイクリストならお気付きでしょうが、このオフセットによって最も踏み込む力が入る90度付近では仮のクランク長が長くなり踏力が増え、ここが大事なんですが引き上げ時(270度付近)に最も仮のクランク長が短くなり回転が速くなるのです。これは引き脚の遅い私にピッタリじゃありませんか。
実はこのペダル、クランクシステムの一部でしてそのクランクにすることも今後視野に入れたいと思っています。楕円ギアがセットされているらしいので興味津々なんです。私が最初にロングライドした自転車がブリジストン「ヤングウェイ」で、その時たしかブリジストンの特許だった(カタログに明記されていた)楕円オーバルギアが懐かしいのです。