今昔館の生き物

毎日、うちでぶらぶら時間を潰してばかりいると、つい横になってしまうことが多くなるのです。やはり限られた空間の中だけの生活では脳も新しい刺激がなくなってしまうようで、ついその動きを停止してしまいます。それを何とかしたいのもだと、気になっていたiMacを購入したりしてみましたが、今度のやつはキーボードもマウスもブルーツゥースでワイアレス、しかもこのマウスが秀逸でパッドとマウスが合体したようになっていますので、寝そべってキーを叩いてTwitterしたり、マウス上でちょこちょこっと指を動かすだけになったりで、余計堕落してしまいました(笑)しかも前回のよりサイズダウンして21.5インチディスプレーにしたので目もそんなに動かさなくなってしまいました。
そんなことではいけないとなんとか現状打破したいと思ったとき、ふと頭に浮かんだのは人形館巡りだったのです。以前高松でふと立ち寄った「平家物語歴史館」という人形館で、かなりいろいろな意味で小躍りして感動した経験があり、自分は基本的に人形好きだったことがわかり、以来ネットで調べたところ他にも全国あちこちに人形館、あるいは人形展示の博物館が点在しており、これは是非ひとつひとつ探訪せねばと思っていたのです。ということで今回は近場は大阪天六の「大阪くらしの今昔館」を訪ねてみることにしました。余談ですがコンビニで売っているのは「眠眠打破」桜の開花のきっかけが「冬眠打破」・・・閑話休題

「大阪くらしの今昔館」のある「大阪市立住まいのミュージアム」はさすがにバブルな時代に建てられただけあって、展示は非常に手の込んだ作りになっていました。まるで本物の天保時代の町並みが再現されているのです。センサーで自動的にスピーカーから流れてくる語りは、あの「人間国宝桂米朝なのも大阪市の力の入れ方が尋常ではない証拠です。

ともあれ再現された町並みには貸衣装もあり、来館した子供(主に女の子)は着物に着替えて当時の玩具で遊ぶこともできるので、見ているほうもタイムトリップしたような気持ちになります。しかも照明が刻々と変わり夕暮れ時や朝焼け真昼と変化し、臨場感たっぷりです。おまけにちょうど夕立タイムだったおかげで、一転俄に掻き曇り、稲光一閃、雷鳴轟くという貴重な経験までさせてもらいました。いや〜ここは遊べますね。で、少し落ち着いたところで町中をようく観察すると、

こんなワンチャンたちや

猫ちゃんもいます

物干の先には赤トンボです。芸が細かい。さらに

軒下にはなんと蜂の巣まで再現されていて、あまりの凝りかたに偏執的気合いを感じて思わずタジロイでしまいました(笑)

エスカレーターで下に降りて次の展示室へ行くと、そこには大阪の町並みが時代ごとにジオラマにしてありました。

ものすごく良くできています。思わず見とれてしまいます。しかも
作品中の人物描写が、これまた非常にリアルでここにも偏執的努力を感じゾクゾクしました。これは一々説明することができないくらいで是非ご自分の目で確認してもらいたいと思います。

今回、併設展として「聴竹居と藤井厚二展」が開催されており、思わぬ収穫でした。聴竹居は大山崎にあるモダンな日本住宅で、一度近くまで訪ねましたが一般公開はしていないということであえなく断念したことがあったので、今回の展示はまさに願いが叶ったといえます。大山崎の二大セレブリティといえば加賀正太郎と藤井厚二と勝手に決めつけていますから、大山崎山荘と聴竹居は是非見ておきたい建築物だったのです。
帰りに天七まで歩き、加納病院近くの阪急ビルを探しましたがもう壊されてしまったらしく、跡地らしきところは駐車場になっていました。実はこのビルは昔の阪急の終点、天神橋駅の名残が今も残るビルだったのですが、阪急開業100周年の今年までせめて保存しておいてほしかったとつくづく思いました。悔しいので近くのケーキ屋で珈琲飲んで帰りました。