石清水八幡宮で立春を

節分の昨日は結局独りうちで過ごしました。節分は壬生寺狂言をほぼ毎年観に行ってるので今年も行こうかと思ってたのですが、生憎未だ顔が腫れたままなので(しかも前歯もない)気分が出ず今年は取止めました。壬生の狂言は独特のカワラケ割りが有名で、ガンデンデンという囃子のなかで積み上げたカワラケを豪快にぶちまけるのです。ぶちまけられたカワラケは物の見事に砕け散って、観ている我々も気持ちがす〜っとします。直径25センチほどのカワラケには参詣者が墨書で祈念文をしたためてあります。それを割ることによって祈願成就と相成るわけです。一昨年の節分に私も父の病気平癒の願いを込めて下手な字を書きました。しかしその帰りに買った生姜糖が父への最後の土産になってしまうとはこの時思いもしませんでした。その五日後に父は他界しました。京都では珍しい大雪が降りました。立春あたりは妙に寒い日が多く感じます。
立春の今日も寒い一日でした。やはりいくらなんでも引篭もりすぎだということで、ぶらりと車で向かった先が石清水八幡宮。ここの裏参道は五百五十五段の階段があり、鈍った身体に喝を入れてやろうという算段です。さすがに節分のヒトケは醒めておりガランとした駐車場へ車を入れ裏参道に向かいます。しかし駐車代千円は高いです。オートバイで来れば良かったという思いが一瞬脳裏をかすめます。でもまあこれもお賽銭としておきましょう。さて上り始めると五百五十五段は自分で言うのもなんですが、全く恐るるに足らずであっさりと本殿に到着です。拍子抜けの感ありですが、これも普段の自転車精進のお陰と思わずほくそ笑む私がおりました。

午後の光を浴びて本殿は不思議なくらい神々しく、案外参詣の人が多いのには驚きました。石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)は日本三大八幡宮のひとつだそうだ。宇佐八幡総大社、鶴岡八幡宮とここらしい。八幡さんといえば戦のカミ、誉田別命(ほんだわけのみこと・第15代応神天皇)、比竎大神(ひめおおかみ・宗像三女神)、そして息長帯姫命(おきながたらしひめのみこと・神功皇后)の三柱ですが、どうやら元々は鍛冶のカミだったようです(柳田國男説)。そして比竎大神こそ卑弥呼ではないかという説もあります。宇佐神宮では四拍手だというのがその証拠の一つだそうで、なかなか面白いことをいっています。ここ石清水八幡宮の歴史も面白く、起こりは空海の弟子の僧行教が宇佐神宮で神託を受けたのを清和天皇の命により建立されたとあります。以来京都の裏鬼門を守る守護神と崇められました。源義家はここで元服八幡太郎と呼ばれました。楠正成手植えの大クスノキ、信長の塀などもある。またパナソニック創始者松下幸之助も信仰していたと聞きます。実はそのよしみもあって四月のパナソニックヒルクライムレースに向けての祈願もつい熱くなってしまいました。

本殿のすぐ近くにエジソンの記念碑があるので行ってみました。以前に比べて随分と立派になっていたように思うのは間違いでしょうか。すっきりとした記念碑です。ご存知の通り八幡の竹が電球のフィラメントに採用されたのですね。考えるとエジソンも八幡の竹のお陰で巨万の富を得たわけですからレリーフの横顔が少しニンマリしているようにも見て取れました。





帰りはケーブルに乗ってみます。片道200円、乗車時間は五分程度でしょうか。










淀、乙訓、京都市街が一望できます。大人げなく一番先頭の座席に座ってはしゃいでしまいました。









これは麓にある神応寺の航海記念塔。国内最大クラスのの石塔でその大きさにびっくりです。神応寺からの景観も素晴らしいものなので次回せひ訪れることにしましょう。
この後近くの航空神社に足を伸ばし、最後は鳥居前の走井餅で大満足でした。