出石皿蕎麦と夏越の祓え

六月二十八日(日)
朝曇、後快晴。今日はバイク仲間E氏よりお誘いがあり、出石に皿蕎麦を食べに行く。生憎我がお嬢V7は未だお漏らしが治らず、と言っても軽症だが大事を取ってこの日は車にてお供させてもらう。初参加のTe氏もお見えで集合地の猪名川道の駅には総勢七名、賑やかなツーリングとなった。ただ車で後を追うだけなのも詰まらんのでザクティにて動画、R-D1sにて写真を撮影しながらのんびりと走った。

皿蕎麦は美味し。出汁が良く二十皿完食す。記念に栓抜きの完食証をもらって帰る。
しかしこの日の出石は猛暑。車内の外気温計は三十七度を指していた。バイクはさぞや暑かったろうと思う。もう少し日が翳った頃に帰ればよかったのかも知れぬが、猛烈に自転車が漕ぎたくなっていた。現地で仲間と別れ、これまた来た道を帰るのも詰まらんので福知山まで下道、そこから篠山まで高速、篠山からはまたしても下道で帰宅。五時半。
直ぐに着替えて亀岡まで自転車往復。日が翳った山道は昼間の暑さが嘘のようで快適なり。

朝、猪名川道の駅の手前の橋の上で面白い事故があった。橋の欄干に乗り上げて殆ど垂直になった車が止まっていた。
怪我人もなかったようだが偶然とはいえ滅多にああにはなるまいと専ら話すことしきりであった。

六月二十九日(月)
朝雲多し。漸く梅雨前線北上、午後から本格的降雨。
午睡時に夢見る。一度に四人もの患者に鍼する夢なり。いつもの患者F氏、俳優、料理店板前、それに若い女
何故か女の弟子がいて腰の経穴に刺鍼指導していた。
仕事が忙し。夜九時半終了。
曾良日記読み始める。

六月三十日(火)
雨。昼間の一時上るも夕刻より強く降る。九州北部は大雨らしい。
微熱あり、だるし。午睡を長めに取る。
自分に鍼して仕事す。頸の鍼を見た患者に驚かれる。

七月一日(水)
午前中晴。非常に蒸し暑し。天気下り坂にて夜七時頃より激しく降る。
微熱なくなり体調良し。ただ気分がくさくさし発作出る。鍼し薬飲む。
九時まで仕事す。
風呂にミント入れる。湯上り頗る涼し。

十二時就寝。

七月二日(木)
曇。本日半夏生

朝からルーブル展を観に京都へ行く。紅茶のみ飲んで出かける。
今回は最初から目当ての作品があり、気分高揚す。
「大工の聖ヨセフ」ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの作品である。図版では度々目にしてはいたが本物を観るのはこれが初めてである。
作品は会場後半の壁面右端のほうに輝いていた。幼子イエスの少し不安な眼差し、捧げ持つ蝋燭の光に透ける左手の純粋で高貴な輝き。父ヨセフのイエスに対する眼差しには将来に対する不安が垣間見れる。なにしろ手には錐を持ち、今一本の材に穴を穿つ最中だからだ。明らかに磔刑の暗示であろう。
ラ・トゥールほど謎に満ちた画家はいまい。およそ百五十年以上もその存在すら忘れ去られ、全くの偶然の記録により二十世紀に再登場する。その恐ろしいまでのリアリスムを持って。
三時間じっくり見る。他に有名どころではレンブラントルーベンス、それにフェルメール「刺繍をする女」。
十七世紀絵画が好きな私にはどれもが素晴らしく、充実の展覧会であった。

会場を後にし、周辺をそぞろ歩きし平安神宮を観る。

一寸休憩す。

ここのタルトタタンは絶品である。岡崎で展覧会があると必ず立ち寄る店。
数年前までこの店のオーナーである御歳八十数歳のおばあさんが毎日手作りされていたタルトタタン。本場フランスで覚えて来られた由。今は孫の可愛い女の子が店を切り盛りしタルトも焼いているとのこと。
残念ながらおばあさんの焼いたものは食べられなかったが、味はしっかりと受け継がれている。おばあさんも九十歳を越えておられるが元気とのこと。
昼過ぎに帰宅。因みに今日は半夏生なり。蛸を食さねばならぬので近所で蛸焼きを買って帰る。午飯の後自転車に乗っていつものコースへ。

亀岡の鍬山神社にて夏越の大祓えをする。茅の輪をくぐる。

この半年の無事を感謝しこの夏をしっかり乗り切れるよう願う。
夜、扇町でミーテイングあり。五名なり。歓談。十一時半帰宅。

七月三日(金)
朝曇。昼休憩時に自転車で走る。途中、中畑付近で後輪パンクに気付く。直ぐにチューブ交換するもなんと予備チューブにも穴が開いており、普段の使い回しのツケがここで露見したことになる。幸い最初のチューブが所謂スローパンクに近いのでまた元に戻して走る。亀岡までは中止。時間も無し。帰り途中に一回空気入れる。
かろうじて帰宅できる。大急ぎでシャワーし仕事に戻る。
チューブは新品を携行すること、肝に命じる。