後半空梅雨の一週間

六月二十二日(月)
早朝雷雨の音に目覚める。その後降ったり止んだり。午後歯医者の後、家内を嵐山の娘のところへ送る。何年か振りに夫婦でマクドナルドへ行く。注文はダブルクォーターパウンダーセット。しかし妙な商品名だ。クォーターがダブルならハーフじゃないのか。ハーフパウンダーが正しいはず。家内を嵐山に届けてそのまま帰る。時間に余裕があったので長岡のユニクロにてTシャツ数枚買う。家内の分も買う。母の介護と家事とで疲れているだろうに、しかも私の症状を補佐してもくれて、本当に感謝、苦労かけて申し訳なく思う。夜に兄から電話。十一時ごろ暴雨。

六月二十三日(火)
朝曇。後快晴なり。暑し。治療室のエアコンかける。家内夕方帰宅。家内がいないと犬も猫もいつもと違った行動を取るので非常に大変である。家内は偉大なり。
非常に疲れる。夜、おくの細道読了。中学の頃から十辺ほど読んでいるが自身の歳を振る毎に新しい感慨があるものだ。
しかし今回は有名人の芭蕉が見えたようで複雑な心境だ。山頭火の旅ではない。

六月二十四日(水)
明け方近く激雨。後晴。このところの天気は不自然なり。恰も熱帯スコールを思わせる。以前マニラで猛烈な雨にやられた事があり、まさに天の水瓶が壊れた様な勢いだったが今朝はその事を思い出させる雨であった。昼休みに自転車に乗る。きちんと四十キロ。陽射しは暑いが雨後の山中は頗る涼し。

紫陽花が際立っていた。
快適に走る。

夜は十時過ぎまで仕事する。本日鍼のみで終わる。
素問研究 読む。


二首作る

真夏日に 渋滞の道 揺らめきぬ

日照り田の 稗獲る人や 藁帽子

六月二十五日(木)
休診日、快晴。七時出立し京都。午前中に表の間のエアコンとテレビの工事に立ち会う。十一時ごろ教習所から帰った娘を連れて栗東に車を見に行く。例のミニスプライトなり。試乗する。頗るエンジンの調子良し。メーターはセンターの為ケーブルの取り回しが悪く低速で振りまくるもご愛嬌と考え、手付けを打って帰る。娘が再度出した返済計画に不承不承頷いてやる。
帰路、三時になったが京都まで帰って岡崎にて昼食。

親子二人で海鮮丼を食す。非常に美味し。久しぶりに娘と会話が弾んだ事が何より嬉し。娘の心境が好転する事を願うばかりである。

六月二十六日(金)
朝薄曇、後晴。昼間一時仕事が途切れるも夕方から忙しくなり結局十時なり。今日は患者のH氏から珍しい焼酎頂く。
旨いと聞く。感謝。また別の患者Fさんからは静岡の海苔、佃煮等頂く。大感謝。

六月二十七日(土)
晴。午後から急遽京都へ行く。玄関チャイムが鳴らないとの事。行って調べると案の定ただの電池切れであった。
たった一本の電池のために京都往復とは情け無い話である。しかしこれも介護と諦める。
帰りに喉が渇いたので千代原口西の喫茶Ropeへ行く。数ヶ月ぶり。ここはいかにも純喫茶である。
ホットケーキ、珈琲注文す。

モケットの椅子(以前は赤だった)

未だカードのいらない煙草自販機。
カトラリー包むナプキンの包み方、奇麗なトイレ、何より静かな店内。ここは完璧な「喫茶店」なり。

五時半より映画に行く。

案外人がいて安心するも、殆どは別の青春野球映画が目当てだった。

私はこれ、劔岳 点の記。

映像が素晴らしい。ただ主演の浅野に限らず台詞のやり取りにややぎこちなさがあったように思う。それと明治人の気概や山村の朴訥さがもう少し表現できれば良かったように思う。しかし映像は文句無し。
立山周辺は何度も登ったが劔は直前断念した苦い経験があり、以来登ってはいない。今後ももう二度と無いだろう。
劔御前で見た夕日に染まる峰を眺めた感動が蘇って涙した。劔は岩と氷の殿堂なり。
回転寿司を食べて帰る。