大きいのに描いてみた


前回に少し書いたが、鉛筆でのアタリだけ済ませてあった「大仙堀」をアルシュ粗目の半切に描いてみた。実は昨夜から塗り始めたんだけど途中で相当嫌になって困った。この絵を描き進めるうちに、要するに僕の絵画における足りない部分が鮮明に見えてきてどうも遣り切れなくなってきたからだ。僕なりの解釈で絵画の要素とは「ベーシック(基本技術)」「リアル(写実デッサン)」「リズム(筆運び)」それに「ポエム(詩情)」だと思っているのだが僕の場合は(どれも中途半端だけど)ポエムがないといえる。ポエムはドラマチュックと書き換えても良いだろう。詩情が湧かない画面は観ていて退屈なだけなのでそれを描くほうも相当退屈になるのは当然だ。

この場所には夕方訪ねていたはずだから、ドラマを感じたいならもっと斜光線を観ないと駄目だった。曇った空からは強い光は射し込まなかったけれど、僕はその時頭の中では光を観ていたはずだ。
トーナルスケッチの段階でそこに気付いておかないと室内での制作ではもっとぶれる。スケッチは大事な作業だと改めて思った次第である。この絵はいろいろな事を教えてくれる一枚となった。

ちなみにこれには国産絵の具「まっちベーシックカラー」を使ってみた。海外の高級絵の具に引けを取らない素晴らしい発色である。安くて安全で品質が良いこの絵の具、大きいのにはドシドシ使えるので有り難い。