鍬山神社 紅葉 自転車考

うちから府道6号線で亀岡に下りたところにある鍬山神社。紅葉の隠れた名所だ。かの平安の昔この地に医聖、丹波康頼が薬草園を開いたこともあり何だか私に縁があるところと勝手に思っている。今日は木曜日で本来の休診日ということで大手を振って(笑)通院の終わった午後からR1200Rに跨がって出かけてきた。暖かいうちはここまで雨降り以外は鍛錬のためほぼ毎日自転車で往復していたのだが日の出が遅なり、こう寒くてはやりきれないのでこのところ億劫になっていたので、そういう通い慣れた道とはいえすっかり季節が変わってしまっていることに驚きながらスロットルを捻る。実は頭が凍えてくると酷い頭痛が起こる。しかも一度起こったら一日以上続くので特に冬場の自転車朝練は慎重になる。自転車用のヘルメットは風が通り抜けやすいようにスカスカで夏場は快適だが冬場は厳しい。何も付けないよりかはマシだろうが頭に汗をかく私は汗冷えが酷く堪らない。
話が横道に寄りついでに、最近思うにロードレーサーという自転車はやはりレースで使うのが正しくはないか。やはりかなり特殊な車両なんだとおもう。速さのみを追求し極限の軽量化効率化を図って組まれている。普通の実用車とは考えの根幹が違い、およそ耐久性は実際二の次じゃなかろうか。車に例えるならレーシングカーだ。そいつを公道で走らせるということはF1車両を公道で走らせるようなもの。そりゃ不具合が出て当たり前。私のカンパレコードが破損したことでそう思うようになった。自転車だってワンレースごとに終了後はメカニックによる点検、整備交換が当たり前だから、帰宅後にちょこっとオイル注して終わりみたいな使い方で持つマシンじゃないんだな。かく考えるとやはりチームとしての練習以外はレーサーの単独走行はあまり気が進まなくなってきた。ましてやレーサーでのポタリング、ツーリング(以前は全てサイクリングと称していたしそれが正しい表現だと今もって思う)なぞ本末転倒の極みで、その間違いのために生じる不具合を全てパーツのせいにしたるする。やれパンクが多いとか尻が痛いとか荷物が積めないとか。そんなものレーサーなんだから当たり前。その自転車はレースで使いなさい。競技用なんだから。やはり公道を快適にサイクリングできる自転車と言えばランドナー、スポルティフ辺りなんじゃないかと思う。MTBというのも何か違うな。そもそも自転車屋、パーツ屋の売る姿勢にも問題がある。普通にサイクリング指向の人にレーサーなんぞ売りなさんな。流行に乗って売れればいいだけという商売は自転車乗りを危うく際物にさせるだけだ。目的に合わせ適材適所である。フランスから起こったとされるシクロツーリズムの思想を時代遅れにしてはならない。それから今やたら鼻に付きだした「ロードバイク」という曖昧模糊とした表現を使うマスコミにも責任の一端があるだろう。「サイクルスポーツ」誌は最古参の自転車雑誌だが創刊当初は硬派で地味な雑誌だった。だがそこには本当の自転車文化が薫っていた。連載の世界一周だかの自転車旅行記なんか、心トキメイて読み進めたものだ。オーストラリアのエアーズロックのことを「アヤーズロック」と称していたが当時そんな大岩の存在すら知る術もない私には何の不自然もなく、むしろそこまでの道程の過酷さにひどく感動した私はそれを見習って九州門司まで自転車旅をし、尻の皮を真っ赤に剥けさしたりした。メルクスの勝利の情報が荒い白黒写真で紹介されるとそれを参考に私や仲間はこぞってメルクス軽量加工と称してチェンリングはもとより各パーツに金属ドリルで穴を開けまくっていた。果てはフレームにも穴を開け、BBの下回りなんかは大きな口が開いていた。シートポストにまでびっしりと穴をあけた強者まで出現した。デローサ、チネリ、コルナゴの写真に憧れる一方アルプス、トーエイ、片倉シルクといったランドナーの旅にもときめいた。カンパ、新鋭の国産ジュラエースが火花を散らす構図は今も変わらないが、その傍でサンツアー、ユーレー、TA、スギノにも目を奪われた。モノとしての自転車だけではなく自転車に乗ることの意義、つまりは礼節を丸ごと教わったのが「サイクルスポーツ」だったと思う。しかし三十数年ぶりに見たその雑誌はまったく違うものになっていた。閑話休題
大きく話が脱線したが、それだけ自転車に対しては熱いものがあるとご理解いただいて、その鍬山神社の紅葉が・・・

これだ!

も一つ!

よいしょっと。

これはドウダンツツジ。赤さが違うな。ほんでもって

お決まりの構図でパチリ。
今年の紅葉は美しいらしい。あちこち出かけて見よう。
つい大風呂敷を広げてしまったが、実のところランドナーの修理が未だ終わらずでややイライラしてきているのだ。どうやら破損したレコードの10速ミディアムゲージリアディレーラーはカンパニョーロ本社にも既に在庫がなく、国内代理店在庫にわずかに残るスモールゲージでの弁済を迫られている。となるとリアフリーが最大26丁が限度で今後大きい丁数は使えなくなる。早く手元に戻したいが思案のしどころなんである。